全方位に何でもできなければいけないというプレッシャーについて
私は経理の仕事をしていますが、あまり得意ではありません。とてもストレスを感じます。
しかし大きなミスをしたこともなく、なんとか続けられているといった感じです。また、やっていると少しずつ全体が理解できるようになり、ミスも減ってきます。
しかし私の脳みそと経理の仕事はマッチングしていないと思います。
一方で、これはお仕事での経験ではないのですが、お笑いのネタを考えて人前で披露したり、テニスの練習メニューをみんなが楽しめるように考えたり、絵を描いたりといった、情緒を使うものごとにおいては、周りから喜ばれることが多く、また、これぞ自分自身であるという感覚で満たされます。しかしこういった方面でお金を稼いでいくのは並大抵のことではないと思います。
先日、電験三種という資格試験に合格しましたが、最後まで興味が持てず、非常に辛い気持ちのままでした。
苦手なことをすることで成長する部分はあると思いますが、自分のエネルギーがいろんな方向に分散して、非効率になっているように感じます。
これは趣味の話になるのですが、柔道など苦手なスポーツをしているときはストレスも多く、上達も遅いですが、得意なテニスにおいては自主練習も楽しく、あっという間に上達していきます。
子供の頃から、全方位になんでもできなければいけないというプレッシャーを自分にかけてしまっているように感じます。
どんな心持ちになれば、楽になるでしょうか?
何かアドバイスいただけると幸いです。
(ニックネーム: コッヒー)
2025年9月4日
32歳
男性

- 臨床心理士
- 公認心理師
★カウンセラーとして約15年の経験を持ち、子ども・若者支援や医療分野で心理検査・カウンセリングを行ってきました。
■ユースサービス協会(約2年)
・若者の引きこもり支援、居場所づくりを担当。
■スクールカウンセラー(約5年)
・小〜高校生の悩みに寄り添い、「変わりたい」「挑戦したい」気持ちをサポート。
・同時に幼児健診や診療所で、発達相談・子育て支援にも従事(約3年)。
■精神科病院(約5年)
・認知症・依存症の治療に関わり、心理検査・個別/集団カウンセリングを実施。
\カウンセリングのスタイル/
・認知行動療法をベースに
・考え方を柔らかく・行動を前向きに
・感情の整理、ストレス対処、自己主張の練習も取り入れます。
あなた自身の「力」や「魅力」を引き出しながら、よりよい未来へ、一緒に歩んでいけるカウンセリングを目指しています。
恋愛相談員の回答
「できる、できない」へのこだわりを手放して「自分らしくある」ためのヒント
このたびは、心の内を丁寧に言葉にしてご相談くださり、ありがとうございます。
苦手意識や葛藤を抱えながらも、日々のお仕事や取り組みに真摯に向き合っていらっしゃること、
そして「どうすればもっと自分らしくいられるのか」と前向きに考えようとされているお気持ちに、深く胸を打たれました。
不安や迷いを感じるときにこそ、自分のことを見つめ直すのはとても勇気のいることです。
その一歩を踏み出されたこと自体が、素晴らしいことだと感じます。
このメールでは、そんなあなたの思いや悩みにそっと寄り添いながら、
少しでも心が軽くなるような視点や工夫をお届けできればと思っています。
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◆「できる・できない」では測れない、自分らしさのかたち
「できなければならない」という面に、「自分らしくある」という一面も取り入れる、
という考え方もヒントになるように思います。
ご相談の中で印象的だったのは、得意なことに取り組んでいるときの充実感や、
周囲に喜ばれる瞬間に「これぞ自分だ」と感じられるというお言葉でした。
その感覚は、まさに「自分らしさ」の核となるものです。
ご自分と向き合う際に、大切にしてほしい感覚です。
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◆完璧主義は悪ではない。でも「今の自分」も認めていい
「なんでもできなければいけない」というプレッシャーは、
向上心の裏返しでもあり、決して否定すべきものではありません。
コッヒーさん自身も「苦手なことをすることで成長する部分はある」とも考えておられるようですね。
ただ、それが「今の自分を否定する材料」になってしまうと、心が疲れてしまいます。
コッヒーさんの場合は、苦手な経理のお仕事にストレスを感じておられます。
また、苦手なことをすることで、非効率になっているような不安も抱いておられます。
特に仕事の場面では、結果が重視され、苦手なことに取り組んでいる時間が「非効率=ダメなこと」と受け取られやすいのかもしれません。
しかし、実際は、非効率に見える時間も、今できていることを積み重ねている時間、
成長している時間であることも多いのではないのでしょうか?
後述するプロセス重視の考え方も参考にしてほしいです。
完璧主義な自分、非効率な自分、どちらも大切にしていいのです。
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◆プロセスに目を向けることで、心の余白が生まれる
資格試験の合格や、苦手なスポーツへの挑戦など、
結果としての「達成」は素晴らしいことです。
ですが、そこに至るまでの「過程」こそが、
あなたの成長や変化を物語っています。
「どんなふうに取り組んだか」「どんな気持ちで続けてきたか」に目を向けることで、
自分の中にある価値や意味を、より深く感じられるようになります。
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◆「できていない自分」をやさしく 見守る視点
ときには、「力が分散しているからうまくいかない」のではなく、
「まだ自分の力が、じっくり育っている途中なのかもしれない」と考えてみることもできます。
これは「できない」と決めつけることではなく、
「今はまだ、得意な分野ほど自然に力が出せないだけ」と捉える視点です。
人にはそれぞれ、伸びやすいタイミングや、力が発揮される場面があります。
その違いがあるからこそ、得意なことに取り組んだときの喜びや、
「これぞ自分だ」と感じる瞬間が、より鮮やかに心に残るのかもしれません。
「まだうまくいかないことがある」
「でも、それは自分の力が育つ途中の姿かもしれない」
そんなふうに、今の自分をやさしく見守る視点を持つことで、
「できる・できない」という枠から少し自由になれるかもしれません。
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◆認知の偏りに気づき、やさしく修正する方法
「全方位になんでもできなければいけない」という考え方(認知)をより柔軟にすることで、
現実的で建設的な考えや行動が引き出されやすくなります。
◎「白か黒か」ではなく「グレーもある」と考える
→「苦手だからダメ」ではなく、「苦手だけど少しならできる」と捉える練習をしてみましょう。
◎「自分に厳しい言葉」を「友人にかける言葉」に置き換える
→友人が同じ状況にいたら、どのように声を掛けますか?
ご自分には、「なんでこんなこともできないんだ」と言っていても、友人には、「よく頑張ってるね」と声をかけるのでは?
「友人なら」という設定で考えることで、状況を客観的に分析して、より柔軟な視点から解決策を考えることができます。
◎完璧でなくても大丈夫である「証拠探し」をしてみる
→完ぺきではなくても満足感を得られた場面や周囲から評価されたことを思い出してみましょう。
そのままのあなたでいることを受け入れられた行動や場所があると思います。
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◆行動面でできる工夫も、心を支えてくれます
◎「得意なこと」を日常に取り入れる
→絵を描く、お笑いのネタを考える、テニスの練習メニューを作るなど、週に1回でも「自分らしさ」を感じる時間を持つことで、心のバランスが整います。
◎「苦手なこと」は小さく分けて取り組む
→苦手な業務や練習を「今日はこの項目だけ」「この時間だけ」と区切ることで、負担が軽くなります。
◎「振り返りノート」をつける
→その日の中で「できたこと」「嬉しかったこと」「気づいたこと」を3つ書き出す習慣などで、自己肯定感を育てます。自身や自己肯定感は「できるできない」に影響されない「自分のままでいい」という感覚の土台となります。
◎「誰かに話す」時間を持つ
→信頼できる人に、今の気持ちを話すだけでも、心が整理されていきます。
話すことで、思考も柔軟になってきます。
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◆最後に
「できるできないにこだわらず、もっと自分らしく生きたい」という願いが感じられました。
この願いを否定せず、他者と比べず、コッヒーさんらしいペースで歩んでいけますように。
いつでも応援しています。
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回答した恋愛相談員
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